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コラム:介護の現場で輝く方法
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9.「権利擁護」って、どんな問題?

「将来、自分が寝込んだり、認知症になったりしたら、私の大切な財産は誰が守ってくれるの?」介護の現場では、そんな不安を抱える利用者さんが少なくありません。年を重ねることで物事を判断する力が衰え、その結果、悪徳商法の被害に遭うなど、自分の利益を自分の力で守れなくなってしまう…。
そんな高齢者や障害をもつ人のために、人権を始めとしたさまざまな権利を保護したり、本人に代わってその財産を適切に管理したりするのが「権利擁護」です。つまり、個人が人間としての尊厳をもって生きていくことを生活上の重要な場面でサポートすること。高齢化が加速する中、こうした「権利擁護」の問題は、介護の現場で今、大きな注目を浴びています。

「権利擁護」は、「虐待防止事業」「成年後見制度」「地域福祉権利擁護事業」の3つのしくみが大きな柱となっていますが、今回は、「成年後見制度」「地域福祉権利擁護事業」についてご紹介しましょう。

■「成年後見制度」とは?■

「成年後見制度」とは、認知症高齢者、知的・精神障害者などのうち、判断能力が十分でない人たちを援助する「成年後見人」を、家庭裁判所などに選んでもらう制度です。「成年後見人」の仕事は、不動産や預貯金等の財産の管理や各種契約の手続などを本人に代わって行うこと。日用品の買い物や介護などは含まれません。

「成年後見制度」には、法定後見と任意後見があります。法定後見とは、既に判断能力が十分でない人が対象で、家庭裁判所が後見人を選びます。本人の状況により後見・保佐・補助の3種類に分かれ、軽度の認知症などでも利用しやすいしくみになっています。
一方、任意後見は、本人がまだ判断能力があるうちに将来に備えて自分で後見人を選び、財産管理などの代理権を与える契約を結んでおく制度です。
「成年後見制度」を利用する場合は、家庭裁判所に申立てを行うことが必要。申立てができる人は、本人・配偶者・4親等内の親族などに限られています。

実際、利用するに当たって気になるのは…ヤッパリ費用の問題ですネ。一体、どのくらいかかるの? 申立て時には、収入印紙(800円)、登記印紙(4,000円)、郵便切手(東京家庭裁判所は4,300円)、医師の診断書などの費用が必要です。
また、後見を弁護士などに依頼した場合は、月額報酬が30,000円程度かかるとされています。

■「地域福祉権利擁護事業」とは?■

一方、判断能力が十分でない人が地域で自立した生活を送るために必要な援助を提供するのが「地域福祉権利擁護事業」(2007年度から「日常生活自立支援事業」に変更予定)。全国の社会福祉協議会が行う援助事業で、利用者はそれぞれ、必要な援助を受けるための契約を協議会と結びます。その援助の中身は…

  • 福祉サービスの利用援助
  • 苦情解決制度の利用援助
  • 住宅改造、住居の貸借、日常生活上の消費契約や住民票の届出ほか行政手続に関する援助など
  • 日常的なお金の管理(預金の払い戻し・解約・預け入れなど)

福祉サービスはもちろん、消費生活の中で必要な契約や行政上の手続まで、ケッコウ幅広い援助が受けられるのですネ。

では、援助が受けられるのはどんな人? 援助を受けるには、以下の2つの条件を満たすことが必要です。

  • 判断能力が十分でない人(認知症高齢者、知的・精神障害者など、日常生活に必要なサービスを利用するための情報の入手・判断・意思表示を自分1人で適切にできない人)
  • 上記の援助事業の契約内容を判断できると認められる人

利用料は各協議会によって違いますが、訪問1回当たりの平均は1,200円。ただし、相談などは無料です。
利用者さんの中には、生活費の管理を自分1人で適切にできない人もいます。そんな場合、ヘルパーが買い物に行くこともできなくなってしまう…。かと言って、「成年後見制度」の利用を相談できる親族もいない…。そんなケースは、検討する価値アリと言えるかもしれません。

たとえ認知症になっても、一人一人が人間らしく尊厳をもって生きてゆける。「権利擁護」は、そんな明るい介護社会の大切な支え手と言えそうですネ。

★ 参考サイト


志田 玲子 プロフィール



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