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ワタミ株式会社 代表取締役社長 渡邉 美樹氏

ワタミ社長の渡邉様にお話を伺いました。

渡邉氏とイーライフ(e介護転職運営)北上

第2回

6回連載

 北上

実は、テレビのドキュメンタリー番組で拝見したのですけれども、買収した先の会社の社長に、渡邉社長が「あなたは辞めてください」といいに行くシーンがありました。
今までの常識から見ると何をしに行っているのかなと思ったのです。普通は考えられないと思うのです。
ただ、そこに答えがあったのは渡邉社長が最後のほうで、「いちばんいやなことだから、俺がやるんだ」とおっしゃっていたと思うのです。
そこにリーダーシップとか人間の器の大きさなどを、強烈に感じたのを覚えています。

 渡邉氏

当時買収した介護の会社に600人を超える社員がいたのですけれども、社員とは約束しているのです。要するに「ご入居者様の幸せのためだけにこの施設をやりたい。それでもいいですか」といったらみんな納得してくれたのです。けれども変えないといけないことがたくさんあるのはわかっていたわけです。そのときに今までやっていた社長が変えられるわけがないですね。今まで「それがいい」といっていた人がいきなり「やっぱりダメだ」といってしまうと、この人は絶対に信望を失います。ですからこの人には改革はできないのです。
いち早く辞めてもらって私が社長になって「こうでしょう」ということで。それでワタミの考え方と価値観の違う一部の方々は「私たちの幸せはどこにあるんだ」と辞めていかれたわけです。

 北上

そうですか。

 渡邉氏

200人ぐらい一度に辞めて大変でした。けれどもそのあと、その思いに共鳴してくれる人たちが200人入ってくれました。ただし、そのときは思いばかりだったので技術が伴わなかったので苦労しました。今は技術も伴っていい形で立ち上がったけれども、やはり1年半かかりました。
最初の半年が戦いで、次の半年が徹底したトレーニングをして、1年かかりました。そして最後の半年で入居率が一気に上がりました。今、1年半経ってようやく「社長」を自分の部下に渡したわけです。

 北上

おそらく同じ番組のなかだったと思うのですが、たしか役員さんもほとんど辞められて、ただ、元の会社の1名だけが役員として残って、ほかは皆さんワタミさんの方で。いろいろ役員会のディスカッションをしていたシーンがあったのですけれども、どちらかというとワタミさんのほうは洗練された役員さんで、ビジネスチックに「あれはダメだ」、「これはダメだ」とばんばんやっているわけです。けれども残った役員さんは初めて聞いたというぐらいの感覚でいたような。

 渡邉氏

介護に経営というのがなかったですね。やはり福祉からきているから今もないところが多いではないですか。介護業界の方というのは国からお金をもらうのでお客様は国だと思いがちなのです。本当はお客様というのはご入居様なのです。目の前にいる方がお客様なのに、国からお金をもらうから国がお客様だという考え方は大きな間違いでしょう。

 北上

渡邉社長がおっしゃっている新しい介護をつくっていくのだというポイントはそこにあるという。

 渡邉氏

そうです。ですから今までの介護は食事を提供したら何点、いくらもらえるということなのです。けれどもわれわれは食事を提供することに対しては、「食事を提供する」ということで終わらないわけです。そのおいしさや安全安心をどこまでも追求していくわけです。
ですから現在、各施設で95%、「とてもおいしかった」という評価がもらえるまではずっとアンケートを取り続けるのです。ただ、95%は取れないですよ。それはもう頑固な方がいっぱいいますから。地方の北海道から九州までいろいろな地域の出身で、文化も違います。最後は個別対応です。この方の味噌汁の味噌は白にしないとダメだとか、この人は塩分薄め、この人については濃い目とか、この人は納豆を出したらダメだとか。納豆を出さない代わりのタンパク質をどうやって摂るのかということまで考えながら、一人ひとりの健康を考えながら個別対応していくわけです。
そういうことで最後の95%の満足度が取れるわけです。

 北上

すごいですね。

 渡邉氏

でも自分の親だったら当たり前でしょう。親においしくないものを食べさせたくないですから。

 北上

紙面の都合もありますので、渡邉様とのお話は第3回へと続きます。⇒
(第2回終了。)

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渡邉社長の最近の著書

 
 あなたのご父母を
 私に委ねてください

 渡邉 美樹 (著)
 中経出版 (2006/11)

ワタミ社長・渡辺氏インタビュー第3回へ⇒

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